勉強法!デジタルと紙のノート、結局どちらがいいの?

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デジタルと手書き、どちらが勉強の効率がいいのでしょうか?i-padをノート代わりにして勉強している人、かっこいいですよね!

結論から言うと、授業などでメモやノートを取ったりするのは基本的に紙の方が良さそうです。

ノートを取るなら手書き?

それではデジタルと手書きの違いについて、詳しくみていきましょう。2014年、アメリカのプリンストン大学とUCLAの研究で、デジタルと手書きについて面白いものがあります。

プリンストン大学とUCLAの研究では学生を、
・ノートパソコンでメモを取るグループ
・ノートに手書きでメモを取るグループ
の2つにわけ、TEDの動画を見せ、別の課題(妨害課題)を実施しました。その後、学生たちにTEDの動画から事実に関係する質問と概念的な質問を行いました。
その結果、事実に関係する質問に対する正答率に差はありませんでした。しかし、概念的な質問に関しては、手書きの方が高い正答率になっていたそうです。また、ノートパソコンでメモを行ったグループは、多くの情報を機械的に記録していましたが、内容は重複していることもありました。

ノートパソコンなどのデジタル機器を使って勉強をすると、気づかないうちに勉強から作業になってしまい、理解が深まらないということが起こりそうです。

紙の教科書vsデジタル

次に紙の教科書とPDFにしてi-padなどで教科書を読む場合を考えていきましょう!スペインから、2000〜2017年の様々な研究のメタ分析の結果をざっくりとみていきましょう。(Don’t throw away your printed books: A meta-analysis on the effects of reading media on reading comprehension
この分析では以下のことが挙げられています。

・時間制限がある場合:紙の方が記憶に残る(時間制限がない場合は紙でもデジタルでも影響はない)
・本のジャンルによる影響:教科書などの難解な内容のものは紙の方が良い。軽い小説などは紙もデジタルも大きな差はない(但し、軽い小説などの研究対象数は少ない)

つまり、勉強するには紙の教科書の方が良いと言えそうです(小説を読むには、電子書籍でも紙でも差はほとんどないようですが…)

印刷物の方が誤字・脱字が見つけやすい?

次に画面の問題も考えていきます。メディアに関する研究で有名な社会学者のマーシャル・マクルーハンという方が印刷物の方が誤字・脱字が見つけやすい理由を説明していてとても興味深いのです。しかし、古いこともあり(1964年)、エビデンスもどこまで信用して良いのか…という感じです。一応載せておきます…

彼の説によると、紙に印刷して読む時、つまり反射光では、脳が分析モード、批判モードになるため文章の誤字脱字がみつけやすいというものです。

逆にテレビやパソコンの画面(透過光)では、脳がくつろぎモード、パターン認識モードになるということです。くつろぎモードでは、受動的に情報を受け取るようになり、パターン認識モードというのは細かい部分は気にせず、全体の流れを追うような状態になるということです。

まとめ

ノートを取るなら手書き?
・ノートやメモを取るならば、パソコンよりも紙の方が深く考えながら学習できるようです。
紙の教科書vsデジタル
・時間を決めて勉強するには紙の教科書の方が良いと言えそうです。小説を読む場合はは、電子書籍でも紙でも差はほとんどないようです。
印刷物の方が誤字・脱字が見つけやすい?
・デジタル(透過光)は、流し読みに適しているという説があります。

参考文献

Princeton University|The Pen Is Mightier Than the Keyboard: Advantages of Longhand Over Laptop Note Taking


The National Centre for Reading Education and Research, University of Stavanger|Reading linear texts on paper versus computer screen: Effects on reading comprehension


ERI Lectura and Department of Developmental and Educational Psychology – University of Valencia|Don’t throw away your printed books: A meta-analysis on the effects of reading media on reading comprehension


TAKAFUMI

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10年間の東南アジアでの生活後、医薬翻訳などを経て現在は精神科の作業療法士として奮闘中。(全米YogaアライアンスRYT200修了)

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